1991年前後だったか。日光市中禅寺湖畔菖蒲ヶ浜キャンプ場で数年続けてイベント(当時、僕は販売促進を担当しイベント等の企画に携わっていた)を催していた。その時、ルアーイベントのゲスト(講師)で来ていただいたのが、トップウォータープラッギングの提唱者則弘祐さんと小型スプーン提唱者の先駆け肥沼薫さんだった。則さんは夜の焚き火を囲んで、われわれにルアー&フライフィッシング黎明期の中禅寺湖の話をしてくれた。それは暗闇を赤々と燃える炎のように、ネイティブトラウトを求める者にとってまさに浪漫と呼べるストーリーだった。また肥沼さんは、翌日のプライベートで僕たちと一緒に金谷ワンドに立ちこみ、この大場所でも小型スプーンをキャストしロッドを湖面と平行に構えリトリーブ(今では当たり前のスタイルだが当時はほとんどいなかった)していた。この光景を垣間見、われわれも小型スプーン専用ロッドを作ろうと言う事になり、スキューバプロアジアとの共同開発で世に送り出されたのがミッチェル「スペリオル 改」だった。今思えば、このロッドがさらなる小型スプーン専用ロッドへ繋がる礎だったのかもしれない。
 早いもので、あれから15年以上の歳月が経った。ルアーフィッシングスタイルも多様化し、とりわけエリア用小型スプーンは大小のメーカー問わず多数作られている。
 雑誌「アングリング」や「ルアーフリーク」世代は、僕と同じく年を重ねたアングラーたちだ。 いつまでも飽きられず、出来るだけ変わることなく、釣果も伴うルアーとして、ワレットの中に納められてもらえるようなルアーを作っていきたい。そんな強い思いがマニューバトライアングル設立へと僕を突き動かした。


 
 1992年まだまだ、バスフィッシングが大らかに出来た時代。僕は釣れても釣れなくてもベイトキャスティングとトップウォーターにこだわっていた。そして今もそのスタイルは変わらない。マニューバトライアングルを立ち上げ、いくつかのスプーンをリリースしたが、いずれはこだわりのトップウォータープラグを作りたいと思っている。
 1996年5月中旬、アメリカで一度だけ釣りをしたことがある。滞在は三日間と短かったが、風景は今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。フライフィッシンングオンリーの釣りはルアーフィッシング同様楽しく、素晴らしい自然の中に身を置けば、釣り方などはどうでもよかった。最近でも僕の自宅近くを流れる鬼怒川で釣りをしていると、あの日のアメリカの景色と重ねてしまうほど美しいと思う時がある。道具や釣り方にこだわるのも大切かもしれないが、それを忘れてしまうくらい自然に魅了され、自然に溶け込むことにこだわりたい。



「マニューバ」。もし巷で耳にするとすれば、サーファーやスノーボーダーが描く軌跡をマニューバラインと雑誌などで表現されている。僕はこの響きにまず強く惹かれた。辞書を引けば、もともと軍隊用語らしい。が、名詞で「策動」、動詞で「(巧妙に)動かす」。形容詞のマニューバラブルで「操作・操縦しやすい」等の意味があり、これはルアーフィッシングスタイルにもぴったりだと直感した。
「トライングル」これはズバリ三角形なわけだが、1人では行き詰る、2人では角が立つ、だから「3」でいこうって。そして、何よりデルタ(三角州)ブルースが好きな僕としては、とてもイメージし易かったのだ。アメリカミシシッピ川とヤズー川に挟まれたデルタ地帯クロスロードに起こった土臭いブルースと海なし栃木県の乾いた空気がシンクロしたのだ。
ここに、マニューバトライアングルは静かに誕生した。



 地球上に存在するすべての生物が、太陽や水、植物の恩恵を何らかのカタチで受けています。もちろん私たち人間も、それらなくしては生きられません。マニューバトライアングルのロゴタイプは自然界を支える太陽、水、緑をシンボルカラーとし、トライアングル(三角形)で表現しました。別名ナチュラルトライアングルとでもいっておきましょう。このトライアングルの微妙なバランスを壊すことなく私たちは自然と共存し、アウトドアライフを楽しめればと思っています。そして、より多くの人に自然の大切さ、楽しさ、偉大さを伝えていければと考えています。





1991年/中禅寺湖畔菖蒲ヶ浜キャンプ場





1992年/霞ヶ浦





1996年/アメリカモンタナ州
ビーバースプリングス





1997年/鬼怒川

 

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